損して得取れ 2018 9 9

 最近は、陸上設置型のイージスシステムである、
「イージス・アショア」のニュースが多くなっています。
 これに対しては、一部、反対論があります。
こうした反対論は、実に、もっともなことだと思います。
 確かに、設置場所を考えれば、
このシステムは、日本を弾道ミサイルから守ると同時に、
一方は、ハワイへ向かう弾道ミサイルの迎撃システム、
もう一方は、グアムへ向かう弾道ミサイルの迎撃システムのように見えます。
 「だから反対である」という理屈は、
半分正しく、半分間違っています。
 アメリカは日本を守り、日本はアメリカを守らない。
これでは、「同盟」とは言えません。
日米安保条約が「日本保護条約」になってしまいます。
 かつて、アメリカのルイジアナ州が、
ハリケーン・カトリーナによって甚大な被害を受けた時に、
私は、日本の陸上自衛隊をルイジアナ州へ派遣すべきだと主張しました。
 当時、アメリカは、イラク戦争の最中であり、
州兵までイラクに派遣され、国内の兵力が不足していたのです。
 だからこそ、陸上自衛隊をルイジアナ州へ派遣する必要があったのであり、
これこそが「同盟」であると考えたのです。
 しかし、こういう発想になる日本人は少ないのです。
多くの日本人の頭の中は、終戦直後の焼野原のままです。
 だから、アメリカに守ってもらいたいという発想はできても、
アメリカを守るという発想はできません。
 もうひとつ指摘します。
日本においては、「経済は経済」、「軍事は軍事」という具合に、
分離して考えることが主流ですが、
世界の主流は、経済と軍事は、表裏一体のものです。
あえて経済と軍事を分離して考える理由はありません。
 日米間の問題は、「貿易不均衡」です。
日本は、アメリカに対して貿易黒字、
アメリカから見れば、日本に対して巨額の赤字です。
 日本がアメリカに対して、
一方的に輸出だけをして輸入をしないのは、
長期的な貿易としては成り立ちません。
そもそも、貿易というものは、「相互主義」でなければ成り立ちません。
 しかし、日本がアメリカから買えるものは、兵器ぐらいしかありません。
飲食店でよく見かける「TABASCO」を大量に買っても、
癖がなく、あっさりとした味のアメリカ・ウイスキーであるバーボンを大量に買っても、
日本の自動車メーカーが自動車を輸出すれば、すぐに「貿易不均衡」になってしまいます。
 もちろん、今は、兵器だけでなく、
シェール革命で、アメリカは、原油も天然ガスも輸出できます。
 しかし、日本が原油や天然ガスを買うとしたら、
メキシコ湾の港よりも、カリフォルニア州など太平洋側の港から輸入をしたいところです。
 しかし、アメリカの太平洋側は、リベラルな州が多く、
パイプライン設置は、環境破壊につながるとして反対派が多いでしょう。
 日本においてはニュースになりませんが、
アメリカでは、「環境保護派」どころか「環境保護過激派」まで存在して、
産業政策がなかなか前に進みません。
 さて、話は戻りますが、
私は、イージス艦は本来の目的である艦隊防衛に戻るべきだと考えています。
 「弾道ミサイル迎撃中のイージス艦を守るイージス艦が必要になる」と聞いた時には、
これでは、いくら国防予算があっても足りないと思ったものです。
























































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